コムデギャルソン パテントレザーの汚れ修理依頼です。
パテントレザーの左足側に黒いシミができてしまいました。よく見るとそのシミは透明な表面の中にできています。こんなの修理できるはずがないと判断しました。しかしもしかと思い他の靴と一緒に発送してみました。
- 1.透明の表層の中に入り込んだ黒いシミを隠してみました。
- 3,000円~
- Before After
→ |
2.この場合は表層に付着したものです。
Before After
Dr.リフレからひとこと。
パテントレザーの傷は本当に悲しいものです。パテントレザーは革の表層に2液反応硬化型塩ビ加工を施したものなので、水に対しては強いのですが耐摩耗性の傷には弱くみなさん悩んでいらっしゃいます。白い靴のコムデギャルソンの場合は、よくおこる現象の一つです。それは昇華付着現象の一つです。例えば靴箱の中などで靴の傍に天然繊維(綿・シルク)等の水分で濡れた染料の色物があった場合などにおこります。靴箱の温度が上がり繊維の中の水分が蒸発する際に、その中の染料分子も一緒に気化してしまいます。その際に染料がパテントレザー側に引き寄せられ付着してしまいます。もう一つ面白い事例の修理がございました。ある日の事です。白い靴を履いてパーティーに行こうとしたら靴とバッグが黄色に変わってしまい、そのおばあちゃまは当店に駆け込んでこられました。話を聞くと、靴を箱に入れその中に黄色い綿の布も一緒に入れておられたということでした。ご本人の表現は浦島太郎になったようだとの発言をされておられました。そこでどのような対応をしたかというと、ご本人は黄色を気に入っておられたので、再度黄色い綿を水で濡らし、箱の中に入れ日の当たる所に置くと見事に均等に着色ができたご様子でした。しかし紫外線に当て続けると、再度染料は抜けていきますので、ご注意ください。どんなことでもご相談をお待ちいたしております。
最近のコメント